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ピロリ菌

ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく悪い菌です。

本体の長さは4ミクロン(4/1000㎜)で、2,3回、ゆるやかに右巻きにねじれています。
一方の端には「べん毛」と呼ばれる細長い「しっぽ」(べん毛)が4~8本ついていて、
くるくるまわしながら活発に動きまわることができます。
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした悪い菌で、主に胃や十二指腸などの病気の原因になります。
子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
ピロリ菌に感染すると、炎症が起こりますが、この時点では、症状のない人がほとんどです。
大人になってから感染すると激しい胃の症状をみることがあります。

放っておくと慢性胃炎、さらに萎縮性胃炎に!?

ピロリ菌には多くの場合、5歳以下で感染すると言われています。ピロリ菌に感染すると、
胃に炎症を起こすことが確認されていますが、ほとんどの人は自覚症状がありません。

慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)

ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。感染が長く続くと、胃粘膜の感染部位は
広がっていき、最終的には胃粘膜全体に広がり慢性胃炎となります。

萎縮性胃炎

胃液を分泌する細胞が減少します。
「慢性胃炎」が長期間続くと、胃の粘膜の胃液や胃酸などを分泌する組織が減少し、
胃の粘膜がうすくやせてしまう「萎縮」が進み「萎縮性胃炎」という状態になります食欲不振や、
胃もたれの症状があらわれることがあります。

腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)

萎縮がさらに進むと胃の粘膜は腸の粘膜のようになる「腸上皮化生」(ちょうじょうひかせい)という
現象が起こることがあります。腸上皮化生を起こした患者さんの一部には、
胃がんになる人がいることが報告されています。

なぜ、ピロリ菌に感染したの?

感染経路は充分わかっていませんが、いろいろな原因が考えられています。

ピロリ菌はどのような経路で、いつ人の胃に入り込むのでしょうか。
じつは、どのような感染経路であるかはまだはっきりわかっていません。
ただ、口から入れば感染することは間違いないようです。大部分は飲み水や食べ物を通じて、
人の口から体内に入ると考えられています。
それでは、生水を飲んだり、キスでピロリ菌に感染してしまうのでしょうか?
上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に
感染することはありません。
また、夫婦間や恋人間でのキス、またコップの回し飲みなどの日常生活では
ピロリ菌は感染しないと考えられています。
ピロリ菌は、ほとんどが5歳以下の幼児期に感染すると言われています。
幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。
そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、
ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。

健康保険は使えるの?

消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)があれば、健康保険を使ってピロリ菌の検査および治療ができます。
これは潰瘍の患者さんでピロリ菌感染がある場合には、
積極的に除菌治療が推奨されているからです。潰瘍がなくとも、何らかの理由(両親が胃がんだった、
慢性胃炎を患っているなど)で検査を希望する人もいるでしょう。
しかし、そのような場合は原則的に自費扱いとなるので注意してください。
また、ピロリ菌の検査方法はさまざまで、医療機関ごとにその方法や費用は異なります。
事前に相談し、検査方法や費用を確認しておくといいですよ!

あなたもピロリ菌に感染してる?

ここのところずっと胃の調子が悪くて・・・という人は、もしかしたらピロリ菌に感染しているかも知れません!

こんな人は要注意!

  • 胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい
  • 胃の不快感が長期間(半年以上)続いている
  • 薬を飲んでも一時的にしか回復しない
  • 1970年以前に生まれている(または年齢が40歳前後である)
  • 衛生環境の悪いところに住んでいたことがある
  • 家族にピロリ菌の感染者がいる

上記の項目に1つでも当てはまる人は、ピロリ菌に感染している可能性があります。
中でも、最初の「胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい」に当てはまる人はピロリ菌に感染していることが多いようです。
ご自身の健康のためにも、ぜひ一度ピロリ菌の検査を受けてみてください。

除菌療法の成功率と成功のコツ

除菌療法の成功率

ピロリ菌の除菌療法は、2種類の「抗菌薬」と「胃酸の分泌を抑える薬」合計3剤を服用します。
1日2回、7日間服用する治療法です。
正しくお薬を服用すれば除菌療法は約75%の確率で成功します。
除菌療法のあと、もとの病気の治療を行います。(除菌療法の前にもとの病気の治療を行う場合もあります。)
1回目の除菌療法で除菌できなかった場合は、再び7日間かけて薬を飲む、2回目の除菌療法を行います。
2種類の「抗菌薬」のうち1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌を行います。
この方法で行うと、2回目の除菌療法も、正しくお薬を服用すれば約85%を超える確率で成功します。
1回目、2回目の除菌療法を合わせた除菌率は95%を超えます。

指示されたお薬は必ず服用すること

確実にピロリ菌を除菌するために、除菌療法を成功させるためのコツは、指示されたお薬は必ず服用することです。
自分の判断でお薬をのむのを中止したり、お薬をのみ忘れたりすると、除菌がうまくいかず、
治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれて、薬が効かなくなることがあります。

7日間しっかり服用。のみ忘れを防ぐための工夫

診断・治療の流れ