五大栄養素
ご飯を食べる時、カロリーに気を使っている方は多いと思います。その中身、栄養素、知っていますか?今回は、栄養素について、一緒に勉強してみましょう。
食品に含まれる栄養素の中で、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5種類を「五大栄養素」といいます。それぞれが体の中で大切な働きをしています。体の中で作られないので食事からしか取ることができない栄養素もあります。栄養バランスの良い食事を心がけましょう!
①たんぱく質
- 筋肉・内臓・皮膚・爪・毛髪など、人の体をつくる基になるものです。
- さらにたんぱく質は20種類のアミノ酸から出来ています。
- 肉・魚介・卵・乳製品などに含まれる「動物性たんぱく質」と豆類・穀類などに含まれる「植物性たんぱく質」があります。それぞれ含まれるアミノ酸の種類や量が異なるので、それぞれバランスよく食べましょう!
- アミノ酸
- 20種類あります。その中で、体内で合成できない、あるいは合成できても必要量が確保できないもの9種類を、小児では10種類を「必須アミノ酸」と言います。これらは食事から取る必要があります。
- 必須アミノ酸 : ヒスチジン、ロイシン、バリン、トリプトファン、リジン、スレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、イソロイシン
- 非必須アミノ酸 : アルギニン(小児では必須)、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、チロシン
②脂質
- 体を動かすエネルギー源になるほか、神経組織、細胞膜、ホルモンなどを作る基になります。
- 脂肪酸からできています。炭素の数や炭素と炭素の繋がり方の違いにより、様々な種類があります。
- 常温で固体の脂肪(肉の脂身やラードなど)、常温で液体の油(コーン油、大豆油など)に含まれています。
- 脂肪酸にはたくさんの種類があり、そのうち、リノール酸、α―リノレン酸は生命の維持に不可欠であるにも関わらず体内で作ることがでないので、「必須脂肪酸」と呼ばれます。これらは食事から取る必要があります。
- 脂肪酸
- 最近よく耳にする「トランス脂肪酸」
- 不飽和脂肪酸の幾何異性体なのですが、天然に生じるものと油脂の加工過程で生じるものとがあります。
- 天然のトランス脂肪酸は、牛や羊の胃の中の微生物によって働きによって作られるため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に微量に含まれます。
- 製造工程で出来たトランス脂肪酸は、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングやそれらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などに含まれています。
- トランス脂肪酸を取り過ぎるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えてHDLコレステロール(善玉コレステロール)が減ることが報告されています。取り過ぎには注意しましょう!
③炭水化物
- 脳や体のエネルギーになります。
- 糖質(消化吸収されるもの)と食物繊維(消化吸収されないもの)に分けられます。
- 砂糖や果物などの甘いものだけでなく、ご飯、パン、麺類、芋などにもでんぷんとして含まれています。でんぷんも消化されればすべて糖質になります。
- エネルギー源として利用されるほか、グリコーゲンとして蓄えられ、必要になった時に使われます。グリコーゲンの量は決まっているので、余分な糖質は体脂肪として蓄えられます。
- 糖質の種類
- 単糖類 : 糖質の最小構成単位。ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど。
- 二糖類 : 2つの単糖類が結びついてできたもの。ショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖などがあります。
- 多糖類 : たくさんの単糖類が結びついて出来たもの。でんぷん、オリゴ糖、グリコーゲンなど。
④ビタミン
- 体の調子を整えるのに欠かすことが出来ません。
- 必要な量は少ないのですが、体の中で作ることができなかったり、作られても十分ではなかったりするので、食べ物から取る必要があります。
- 13種類あり、水に溶けるものと油に溶けるものに大きく分けられます。それぞれ働きは違います。
- 水溶性ビタミン : 9種類
尿などに排出され、体にためておくことが出来ません。毎日必要な量をとりましょう! - 脂溶性ビタミン : 4種類
油と一緒に取ると吸収率が上がります。取り過ぎると過剰症になります。
⑤ミネラル
- 無機質ともいいます。骨や体の組織を構成したり、体の調子を整えたりします。
- 人の体の中では作ることが出来ないので、毎日食べ物からとる必要があります。
- 厚生労働省が摂取基準を決めているのは13種類です。