風疹について
厚生労働省は2日、今年の風疹の患者数の累計が、先月24日現在で昨年1年間の合計を65人上回る2418人に上った、と発表した。
依然として首都圏を中心に患者が増えているほか、関西や中部でも増加が目立っており、同省は、流行が全国に拡大しつつあるとして注意を呼びかけている。
患者では、予防接種をしていないか、もしくは不明の人が2275人と9割以上を占めている。男性では、患者1894人のうち8割以上が20~40歳代だった。妊婦がかかると胎児に障害が残る可能性があるため、同省は、夫ら身近に妊婦がいる男性らに予防接種を受けるよう呼びかけている。
【4月2日(火) 読売オンラインより抜粋】
1.原因
風疹ウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、鼻水などによって感染者からウイルスが飛び散り、直接飛沫を吸い込んだり、手や肌に触れることで感染します。
2.症状
まず耳の後ろや首などのリンパ節が腫れ、その後米粒からエンドウ豆ほどの大きさの淡いピンク色をした発疹が顔や耳の後ろにあらわれ、発熱をともなうこともあります。この発疹は1~2日で全身に広がり、3日程度で自然に消えていきますが、発疹が消えるころに痒みが出ます。風疹の症状は子供では比較的軽いのですが、大人がかかると発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。また、妊婦が感染すると、胎児に重大な影響が出ることがありますので、なるべく子供のうちにワクチンを接種することが非常に重要となります。
3.予防法
外出後のうがい手洗い
風疹のワクチンを接種する
風疹ワクチンとは、弱毒化を行った種ウイルス(弱毒株ウイルス)を培養、増殖させ、凍結乾燥したものです。弱毒株ウイルスを接種した場合、通常の風疹感染と違ってほとんど症状はでませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。 決められた期間であれば国の負担で予防接種を受けることができます。妊娠3カ月以内で風疹にかかると、胎児に影響が出ることもありますので、これから赤ちゃんを産む予定の女性でワクチンの接種を受けていない人は、必ず予防接種を受けましょう。(ただし妊娠中は風疹の予防接種を受けることはできません)自分がすでに風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べることができます。
4.対処法
水分を十分にとる。
発熱によって大量の汗が出るので、こまめに水分を補給しましょう。また、赤ちゃんは発熱があると機嫌が悪くなって飲まなくなり、脱水症状を起こすこともあります。こまめに飲ませて、十分な補給を心がけましょう。
発熱時には頭部を冷やす。
熱がある時は、氷枕や冷却ジェルなどで頭を冷やすと楽になります。また、発熱で体力も消耗しますから長時間の入浴は控え、かわりに蒸したタオルで顔や体を拭くとスッキリして気分も良くなります。
暑すぎない程度に保温し、保湿する。
適度な室温にして、時々換気をするようにしましょう。加湿器や濡れタオルで室内の空気を保湿することも大切です。
病院で診察を受ける
発熱や発疹など、風疹と思われる症状があらわれたらすぐに内科や小児科を受診しましょう。また、他の人にうつさないためにも発疹がおさまるまでの間は幼稚園や学校、会社は必ず休みましょう。(発疹の出る2、3日前から、発疹が出た後の5日間くらいは感染力があると言われています)
- Q 先天性風疹症候群とはどんな病気ですか?
- A 妊婦、特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れなどの障害を持った赤ちゃんがうまれる可能性があります。これらの障害を先天性風疹症候群といいます。先天性風疹症候群をもった赤ちゃんがこれらすべての障害をもつとは限らず、これらの障害のうちの一つか二つのみを持つ場合もあり、気付かれるまでに時間がかかることもあります。
- Q 男性でも風疹の予防接種は必要なのですか?
- A 必要です。風疹は通常あまり重くない病気ですが、まれに脳炎、血小板減少性紫班病などの軽視できない合併症を起こすことがあります。また、予防接種を受けず、自然発症したときには、妊婦などにうつしてしまうことや、それによって生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断される可能性が生じます。風疹の合併症から身を守り、家族への感染を予防し、将来自分たちの子供を先天性風疹症候群から守るためにも、男性も可能な限り早く風疹の予防接種を受けて下さい。
- Q 子供の時に風疹にかかったと親に言われていますが、この場合予防接種を受ける必要がありますか?
-
A すでに風疹にかかったと記憶のある人たちに血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風疹に似た他の病気にかかっていたという調査結果もあります。風疹にかかったことが血液検査などで確かめられてない場合、(風疹にかかった記憶だけの場合や、医療機関を受診していても症状だけからの診断で、診断が血液検査によって確認されていない場合など)は必ずしも信頼できません。これまで風疹の予防接種を受けたことがないのなら、なるべく早く予防接種を受けることをお勧めします。
たとえあなたがこれまで風疹にかかっていたとしても、予防接種を受けることによって特別な副反応がおこるなど、問題がおこることはありません。過去に風疹に感染していても、今、予防接種を行うと風疹に対する免疫をさらに強化する効果が期待されることもあるのでより安心です。