クローバー薬局ニュース

Clover Pharmacy News

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平成28年3月

便秘

腸のはたらき

胃や小腸で消化された食物は、水分の多いどろどろの液状となって大腸に入り、ゆっくりと水分が吸収されて固形化(便塊化)し、便として排泄されます。健康な大腸は、腸内で「ぜん動運動」といってギュッと強く縮んでは緩む動きを繰り返すことで、便をスムーズに送り出していきます。もし便塊が何日も大腸内にあると、水分吸収はさらに進み、便塊は硬く小さくなります。 腸の動きは、自律神経に支配されています。便を体外に送り出すためのぜん動運動胃に食物が入ると指令(=胃・結腸反射)が出て始まります。そして、便が直腸に達すると大脳に指令が送られ、便意をもよおします(=排便反射)。ストレスにさらされると、自律神経がうまくはたらかないため正常な腸のぜん動運動が起こらず、便が滞って便秘につながることがあります。

便秘の種類と原因

(1)直腸性便秘

便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ。高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多い。


(2)けいれん性便秘

腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多い。おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こる。 運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなどが誘因に。

(3)弛緩性便秘

副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。 食後に下腹部痛、残便感などの症状があることも。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多い。精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群などが誘因に。

女性に便秘が多いのは・・・

日本人女性の半数以上に便秘の症状がみられるといわれます。男性に比べ、女性が便秘になりやすい理由は、いくつかあります。

身体的理由… 男性に比べると、女性は腹筋が弱いため、大腸が便を送り出す力が弱い

ホルモンの作用… 女性ホルモンのひとつ「黄体ホルモン」がからだに水分や塩分をためこむように指示を出し、大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなる。また、「黄体ホルモン」は妊娠したときに、流産しないように子宮筋の収縮を抑制するはたらきもあり、それが腸にも影響してぜん動運動を低下させる。特に「黄体ホルモン」が多く分泌される月経の前や妊娠初期には便秘になりやすい

無理なダイエット… 食事量を減らすことは食物繊維や水分、脂肪分を減らすことになるので、ぜん動運動などにも影響がおよび、便が硬く、排出されにくくなる

精神的な理由… 女性は忙しさや人前での恥ずかしさのためにトイレを我慢することも多く、旅行など環境の変化によるストレスの影響も受けやすい

便秘の予防

便秘の予防は、食物繊維や水分を十分にとるなど、食生活の改善が基本になります。規則正しい生活を心がけ、朝食をしっかり摂って腸の働きを活発にし、余裕をもって排便する習慣をつけましょう。

(1)食生活の見直し

●食事のリズムを整える

朝昼晩3食をしっかりとり、特に朝食を抜かないことが大切です。

●食物繊維や水分を十分にとる

食物繊維は腸のぜん動運動を高め、便を排出しやすくします。穀物、いも類や豆類、ひじき、寒天、果物など、食物繊維を多く含む食品を十分にとるようにしましょう。 水分が不足すると便が硬くなって移動しづらくなります。水分を含んだ便は、便の容積が増して腸に刺激を与え、便意を起こしてくれます。1日に1.5リットル以上を目安に、たっぷり補給しましょう。 また、朝起きてすぐに水か牛乳をコップ1杯飲むと、腸が刺激されて動きがよくなり、便意が起こりやすくなります。

●極端なダイエットは避け、バランスのとれた食生活を

極端に食事量を減らすと食物繊維や水分も不足してしまいます。太るからと避けがちな脂肪分も減らしすぎると、便の滑りが悪くなってしまいます。排泄のリズムが崩れると、美容と健康に悪い影響を及ぼします。バランスのとれた食生活を心がけましょう。

腸内環境を整える食品を積極的にとる

乳酸菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品、オリゴ糖などは腸内環境を整え、便秘を改善してくれます。日常の食事に進んで取り入れるようにしましょう。

(2)適度な運動

●毎日腹筋をする

腹筋は、肛門に圧力をかけて便を押し出すためにも重要な筋肉です。腹部の血行を促進し、胃腸の動きを活発にする腹筋運動を、毎日少しずつ始めてみましょう。

●便秘予防には腹式呼吸が有効

腹式呼吸とは、鼻からゆっくりと息を吸いながらお腹を膨らませ、次に口から息を吐きながらお腹をへこませる呼吸法。この腹式呼吸は、腹筋や横隔膜を刺激して腹腔の内圧を高めるため、排便時にスムーズに便を送り出す効果が期待できます。また、腹式呼吸をすることで腸が刺激され便意も起こりやすくなります。

●おなかのマッサージ

食べたものが腸へ到達する食後3~5時間後に仰向けになり、おへそを中心に時計回りに「の」の字をかくように2~3周、力を抜いてゆっくりとお腹をマッサージします。ほどよい圧力をかけることで排便が促され、便の移動がスムーズになります。


軽い運動でも筋肉を動かすことは腸への刺激となり、便秘改善に効果的です。出勤時に一駅分ウォーキングする、電車の乗り換えや移動の際は階段を利用する、家事や仕事の合間にストレッチをするなど、適度な運動は毎日の生活のなかでもぜひ取り入れましょう。

(3)トイレの習慣改善

●朝食後に必ずトイレに行く

朝食後は、胃・結腸反射(=食べ物が胃に入ると腸に排便を促す指令)が、もっとも出やすいタイミングです。朝食をしっかり食べた後にトイレに行く習慣をつけましょう。

●トイレを我慢しない

便意が起こっているのに排便を我慢することをくり返していると、直腸における排便反射が弱くなり便意を感じにくくなってしまいます。トイレを我慢することはなるべく避けましょう。

(4)ストレスをためない

胃、小腸、大腸などの消化管は自律神経にコントロールされているため、強いストレスを受けると、運動が弱くなり、胃酸や腸液の分泌も悪くなって、便秘になります。 忙しすぎるとトイレの時間も余裕を持ってとれません。便秘の改善には、ゆっくり休養をとり、ストレスを解消することも大切です。

☆日常生活を少し工夫することで、便秘が解消したり、便秘になりにくくなったりします。それでも改善しない場合は、薬を用いるのも1つの方法です。自分に合った方法を見つけて、便秘を改善していきましょう。

 

〈参考資料〉
大正製薬
小林製薬
第一三共ヘルスケア

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