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平成27年12月

子宮内膜症

子宮内膜症って??

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖、剥離を繰り返す病気です。
子宮の内側からはがれ落ちた子宮内膜は、月経血として腟から体の外に流れ出ていきますが、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は腹腔内にとどまり、炎症や痛み、癒着の原因になります。

子宮内膜症ができやすい場所は、腹膜、卵巣、子宮と直腸の間のくぼみ(ダグラス窩)です。卵巣にできたものを卵巣チョコレート嚢胞とよびます。
ごくまれに、肺など遠く離れた臓器にできる場合もありますが、骨盤内にできるケースがほとんどです。

月経のメカニズム

月経が終了する頃から排卵が起こるまでの期間(=卵胞期)に、左右どちらかの卵巣で通常、一つだけ卵胞が発育し始めます。
卵胞が発育してくると、卵胞を形成している卵胞細胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)の量も次第に増量していくようになります。
この卵胞ホルモンの影響によって子宮内膜は徐々に増殖し、その厚みを増して行くようになります。





排卵期になると、子宮内膜は経膣式超音波検査ではおよそ1cmの厚みを持って観察されるようになります。
卵胞が破裂して卵が卵巣外へ放出される(=排卵が起こる)と、その後に卵胞は黄体へと変化していきます。
肉眼的に黄色い組織に見えるため黄体と呼びますが、黄体はそれまで卵胞を形成していた卵胞細胞が黄体細胞へと変化することにより形成されるものです。
この変化は脳下垂体から一時的に大量に放出されるLH(黄体刺激ホルモン)によってなされるものと考えられており、排卵という現象が起こるのもこのLHの一時的大量放出によって起こるものと考えられています。
黄体が形成されると、今まで分泌されていた卵胞ホルモンに加えて、黄体ホルモン(プロゲステロン)が同時に分泌されるようになります。
黄体ホルモンには、卵胞ホルモンの作用によって増殖した子宮内膜に栄養分を貯め込むなどの働きがあり、結果として子宮内膜を受精卵の着床に適した環境となるように作用します。
こうして妊娠に向けて準備をしたにもかかわらず妊娠が成立しなかった場合には、卵巣に形成されていた黄体は自然に退縮してしまい、
それと同時にそこから分泌されていた卵胞ホルモン・黄体ホルモンともに急激に減少するようになって、
その結果子宮内膜が一気に剥がれ落ちて出血が起こるようになります。(これが月経です。)

子宮内膜症の原因

子宮内膜症が発生する原因は、はっきりとは解明されていません。現在言われているのは以下の2つの仮設です。
子宮内膜移植説:本来、生理の血液は膣を通って体外に排出されます。この血液が卵管の方に逆流しお腹の中に出てしまい、排出されることなくそのままとどまってしまうというものです。
体腔上皮化生説:腹膜が、何らかの原因で子宮内膜に変化し、子宮内膜症になるというものです。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症の症状としてもっとも多いのは、月経時に起こる下腹部の痛みです。このほか、子宮内膜症になると、月経時以外の下腹部痛や排便痛など、様々な痛みに悩まされます。
また、子宮内膜症は月経のたびに進行するため、月経の回数が多い人ほど病気が進行し、重症になる傾向にあります。

・生理痛・下腹部痛
代表的な症状です。生理中、子宮を収縮させる物質、プロスタグランジンが内膜病巣からも分泌されるといわれ、痛みがさらにひどくなります。
また子宮内膜組織が骨盤内の臓器にも癒着しやすくなり、下腹部痛が生じやすいといわれています。





・過多月経・レバー状のかたまり
子宮内膜症に似た病気で、子宮の壁が厚くなっていく「子宮腺筋症」の場合、子宮全体が大きくなって経血量が増え、夜用ナプキンでも短時間で不安という状態に。
また、通常は特別な酵素の働きでサラサラの形で排出される経血が、量が多いため酵素の働きが追いつかず、レバー状のかたまりとなって排出されます。

・生理痛・下腹部痛
代表的な症状です。生理中、子宮を収縮させる物質、プロスタグランジンが内膜病巣からも分泌されるといわれ、痛みがさらにひどくなります。
また子宮内膜組織が骨盤内の臓器にも癒着しやすくなり、下腹部痛が生じやすいといわれています。




・排便痛
子宮内膜症の病巣が、直腸やその付近にあったり癒着が周囲に起きている場合、肛門の奥に激しい痛みを感じます。
一般的に生理前は便秘がちになり、生理が始まると解消されることが多いため、生理痛と排便痛が重なる場合もあります。

・性交痛
子宮と直腸のすきまにある「ダグラス窩(か)深部」に病巣や癒着があると、セックスのとき、ペニスに圧迫されて激しい痛みを感じます。
腟の入り口ではなく、奥の方が痛むのが特徴です。

・不妊
子宮内膜の組織と臓器の癒着によって卵巣と卵管の動きが悪くなる、子宮内膜症病巣から出るサイトカインなどが排卵、胚発生や着床の邪魔をすることなどが原因と考えられています。

子宮内膜症の診断・治療

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖、剥離を繰り返す病気です。
子宮の内側からはがれ落ちた子宮内膜は、月経血として腟から体の外に流れ出ていきますが、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は腹腔内にとどまり、炎症や痛み、癒着の原因になります。

子宮内膜症と診断されたら・・・
子宮内膜症の治療方法には、手術療法と薬物療法があります。

鎮痛剤
炎症を抑え、子宮内膜症の最大の症状である「痛み」を軽減します。
鎮痛薬には生理時に痛みを引き起こす、子宮の収縮を促す物質「プロスタグランジン」の発生を抑える働きがあります。

GnRHアナログ療法
閉経したときのように女性ホルモンの分泌を低下させて排卵及び生理を止め、子宮内膜の増殖を抑えます。副作用としては更年期様症状、骨量減少などがあります。
・点鼻タイプ:1日2~3回、鼻の粘膜に噴霧して使うスプレー薬。手軽に投与できる。投与期間は最長6カ月。
・注射タイプ:4週間に1回、上腕や腹部に皮下注射する。投与期間は最長6カ月。

ダナゾール療法
男性ホルモンの誘導体を使い女性ホルモンの分泌を抑え、閉経の状態をつくり、子宮内膜の増殖を抑えます。また、子宮内膜症病変に直接作用し、病巣を小さくします。
最近では低用量を長期間(最長4カ月)続けて使う方法が主流となり、体重増加や肝機能障害の副作用が低くなっています。

偽妊娠療法
排卵を止めることで子宮内膜の増殖を抑えます。薬を休む期間に生理(消退出血)が起こりますが、子宮内膜が薄いため、出血量が少なく、出血時の痛みも軽くなります。
低用量ピルはもともとは避妊薬なので、当面は妊娠の予定がないという女性の症状コントロールに適しています。

黄体ホルモン療法
黄体ホルモンの誘導体を使い、子宮内膜症病変に直接作用し、病巣を小さくします。
服用中に不正出血が起こりがちですが、更年期様の副作用は少なくなっています。

セルフチェック

以下の症状がある方は要注意!!!

  1. 経痛が年々ひどくなってきた
  2. セックスのとき奥のほうが痛い
  3. 排便のとき肛門の奥が痛い
  4. 月経以外のとき、下腹部に鈍痛がある
  5. 月経のとき、吐き気やめまいがする
  6. 月経のとき、鎮痛剤を飲んでも痛みがおさまらない
  7. 月経のときに飲む鎮痛剤の量がだんだん増えてきた
  8. 結婚して2年以上たつが妊娠しない

これらの症状のひとつでも当てはまる人は、子宮内膜症に罹っている可能性もありますので一度婦人科を
受診して見ましょう。
子宮内膜症は月経が繰り返されるたびに進行していく病気なので、受診を先延ばしにするのは禁物です!!

 

〈参考〉
持田製薬 子宮内膜症
おしえて生理痛
日本子宮内膜症協会ホームページ

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