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平成26年9月

湿疹・皮膚炎について

残暑が続いていますね。夏は、気温・湿度が上昇するため、肌の露出が増えたり、発汗や紫外線の影響を受けることで、皮膚トラブルが起こりやすくなります。
そこで今回は、夏に多い、湿疹・皮膚炎について紹介したいと思います。

■虫刺され

蚊やノミ・ダニ・蜂に刺されたり、クモに咬まれたり、毛虫の毛に触れたりすると、虫特有の毒成分が私たちの皮膚に
注入され、アレルギー反応を引き起こし、赤い発疹・かゆみ・痛みや腫れを引き起こします。

アレルギー反応には、アレルギーを引き起こす物質に接してすぐに起こる「即時型反応」と、2~3日たってから起こる 「遅延型反応」があります。
                    例えば蚊の場合、乳幼児は遅延型反応のみ、幼児期から青年期(15~24歳)は即時型反応と遅延型反応の両方、青年期~壮年期(25~44歳)からは即時型反応のみが出現し、高年期(65歳以上)はどちらの反応もあらわれにくくなるとされていますが、個人差が大きく、人によって症状のあらわれ方は異なります。

■あせも
汗が皮膚にたまることで生じる皮膚トラブルで、かゆみを伴う赤いブツブツが汗のたまりやすい部位にたくさん現れます。
白っぽい水ぶくれのタイプと、赤い小さな湿疹が出来るタイプがあります。
赤い湿疹タイプの場合はかゆみを伴うことから、ステロイド外用剤を用いて治療します。かゆみがガマンできず掻き壊して化膿することも多いため、その場合は抗生物質の配合されたステロイド外用剤を使用します。
■日焼け
日光皮膚炎とも呼ばれる皮膚トラブルで、紫外線を浴びた部位が赤くヒリヒリします。紫外線を浴びた直後は何ともなくても、6~24時間たった頃にもっとも症状が強くなり、ひどい場合はむくみや水ぶくれができることもあります。
■接触皮膚炎
化粧品や洗剤をはじめ、金属やゴム製品など身の回りの多くのものが原因となる皮膚トラブルです。
屋外では刺激の強い植物や、特定の植物に対するアレルギーで発症し、赤いブツブツや強いかゆみ、ただれや水ぶくれのような症状が現れる場合もあります。
赤ちゃんのおむつかぶれもこれにあたり、尿や便に含まれるアンモニアや酵素などが原因となって炎症が起こります。
患部には亜鉛華単軟膏や、症状によってはステロイド外用剤を使用します。
■脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

睡眠不足やストレス、食生活やホルモンバランスの乱れなどにより皮脂が過剰に分泌されると、皮膚の常在菌が異常に増殖し、皮膚に刺激を与える物質を大量に作り出すため、皮膚トラブルを起こします。

脂漏性皮膚炎になると、頭皮から髪の生え際にかけてフケを生じ、赤っぽい斑点が広がるほか、鼻の脇が赤くなって皮膚がポロポロとむけたりします。ほかにも耳のうしろ、ワキの下や太もものつけ根といった部位に湿疹・皮膚炎の症状が現れるようになります。
かゆみを感じる場合もあります。

年代で見ると乳児期に多く見られるほか、思春期以降の成人でも発症しやすいとされています。
乳児期では生後2~4週頃から髪の生えている部位やまゆ毛、おでこに黄色いかさぶたのようなものが現れ、皮膚が赤くなってポロポロとはがれますが、多くは生後8~12ヵ月で治るとされています。
成人の場合はフケの症状が出るのが特徴で、慢性化しやすく、治っても再発することが多いとされています。

治療には、赤みやかゆみなどの炎症が強い場合には、抗炎症作用のあるステロイド外用剤を使います。
炎症がおさまった後も菌が増殖し、症状が再発してしまう場合には、抗真菌剤の塗り薬も併用します。
また、ビタミンBの欠乏が症状を悪化させる原因となる場合もあるため、ビタミン薬(ビタミンB2、B6)を内服すると良いでしょう。
かゆみがある場合には、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服します。

■とびひ(伝染性膿痂疹)

虫刺されやすり傷の部位に細菌が繁殖し、水ぶくれやかさぶたが出来る感染症です。
かゆみから患部を掻いてしまい、中の液が染み出て他の部位にも飛び火するのが特徴で、幼児~学童期に多く見られます。
治療には亜鉛華単軟膏や抗生物質の軟膏を用います。ひどくなると抗生物質の内服や点滴注射も必要となるため、医師による治療が望ましいと考えられます。

■水イボ(伝染性軟属腫)

伝染性の軟属腫ウイルスに感染することによるイボ(良性の腫瘍)です。粟粒からエンドウ豆くらいの大きさで、色は淡い赤色から淡い褐色をしており、触れると弾力のある半球形をしているのが特徴で、幼児~学童期に多く見られます。
イボの中にはウイルスが含まれているため、引っかくなどしてウイルスに触れると感染する可能性があります。
イボを取り除く場合は、家庭では行わずに医師に相談をして下さい。

※とびひと水イボは学校保健安全法で「学校感染症(第三種)」に指定されており、条件によっては出席停止の措置が必要とされています。

■乾燥肌(皮脂欠乏症)

乾燥を放置したまま、自然と治ることは期待できません。室内の暖房や、屋外で吹きさらす風から完全に身を守ることは難しいですし、いったん乾燥肌になってしまった皮膚はバリア機能が低下しているため、放置するとかゆみから掻き壊し、どんどん治りにくくなってしまうからです。

乾燥肌の治療法

乾燥肌の改善のためには、加湿器で部屋の湿度を上げたり、うるおいを補う目的で保湿剤を用いると良いでしょう。
保湿剤は皮膚に水分を与える保湿性の高い成分で、薬局ではヘパリン類似物質、尿素、グリセリン、ワセリンなどの含まれた製品を購入することが出来ます。

赤みや湿疹などの炎症が治まらない、かゆみが強いといった場合には、抗炎症作用のあるステロイド外用剤を使用すると良いでしょう。
無意識のうちに皮膚を掻き壊し、水疱が出来るなどして皮膚がジュクジュクとした状態になると、バリア機能が低下して細菌に感染しやすくなります。
そうした状態では、細菌の繁殖を防ぐためにも抗生物質を含んだステロイド外用剤を用いることが適しています。

【塗り薬の種類について】

皮膚用の薬はいろいろありますが、症状に合わせて使う必要があります。
皮膚に炎症を起こしている原因がアレルギーのときはステロイド薬で過剰な免疫反応を抑え、細菌感染のときは抗生物質で細菌を抑えます。
強い炎症がなくかゆみだけなら、抗ヒスタミン薬やかゆみ止め成分(クロタミトンなど)を配合したものを選ぶとよいでしょう。

ステロイド薬は強さによって5段階に分けられます。最も強いストロンゲスト、次に強いベリーストロングの薬を使うには、Dr.による処方箋が必要です。
処方箋なしで薬局で購入できるOTC医薬品は、ストロング、ミディアム、ウィークの3ランクです。
ただし、下の表に示すように、ストロングランクを安全に使用できるのは、小学生以上となっており、疾患によってステロイドを使用できるかどうかは異なるので、注意が必要です。

●外用ステロイドのランクと対象


●部位によってステロイドを使い分ける

右図に示すように、ステロイドの吸収率は、体の部位によって全く異なるため、強さを使い分けることが必要です。
皮膚が厚く吸収率の低い手や足の裏などには強めのステロイド剤を、顔面や陰部などの皮膚が薄い部位には、弱めのステロイド剤を使います。

薬の選び方に迷ったら、医師あるいは薬剤師にご相談ください。

 

〈参考資料〉
田辺三菱製薬提供
アステラス製薬 なるほど病気ガイド
第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局
日本皮膚科学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2009より抜粋及び一部改変

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