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平成25年2月

過活動膀胱について

過活動膀胱とは?(症状)

過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。最近の調査で、とても多くの方がこの病気で悩んでいらっしゃることがわかりました。

(1)急に尿意をもよおし、
漏れそうで我慢できない(尿意切迫感)

(2)トイレが近い(頻尿)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)

人がトイレへ行く回数は、日中で5~7回、寝ている間は0回が正常と言われています。日中8回以上トイレに行き、夜間も1回以上おしっこのために起きるようなら、それは頻尿(夜間頻尿)と言えます。

(3)急に尿をしたくなり、トイレまで我慢できずに漏れてしまうことがある(切迫性尿失禁(尿漏れ))

尿意切迫感だけでなく、場合によってはトイレまで我慢できずに尿が漏れてしまうこともあります。

原因

過活動膀胱には、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。

(1)神経因性過活動膀胱 (神経のトラブルが原因)

脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害の後遺症により、脳と膀胱(尿道)の筋肉を結ぶ神経の回路に障害が起きると、「膀胱に尿がたまったよ」「まだ出してはいけないよ」「もう出していいよ」「膀胱を緩めるよ(締めるよ)」「尿道を締めるよ(緩めるよ)」といった信号のやりとりが正常にはたらかなくなります。その結果、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとしたり、「締める」「緩める」の連携がうまくはたらかなかったりして、過活動膀胱の症状が出るのです。

(2)非神経因性過活動膀胱 (神経トラブルとは関係ない原因)

○骨盤底筋のトラブル
女性の場合、加齢や出産によって、膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることがあります。そのために排尿のメカニズムがうまくはたらかなくなり、過活動膀胱が起こります。

○それ以外の原因
上記以外の何らかの原因で膀胱の神経が過敏にはたらいてしまう場合や、原因が特定できない場合もあります。いくつかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。この原因の特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多く存在しています。

過活動膀胱の治療法

薬による治療

薬物療法は「抗コリン薬」の服用が一般的です。これは過活動膀胱に用いる代表的な薬で、膀胱にあるムスカリン受容体と結合してアセチルコリンの神経伝達を阻止することで膀胱の異常な収縮が起きないように作用します。しかし、膀胱に集まって効きやすい抗コリン薬が開発されて高い効果が期待できる一方で、膀胱以外の組織にもムスカリン受容体が存在するため、服用すると口の渇きや便秘、目の調節障害などの副作用が起きることが問題となっています。
近年登場した「β3アドレナリン受容体作動薬」(一般名ミラベグロン)は、こうした背景から開発された新しい薬です。口の渇きや便秘などの副作用はなく、強い尿意や頻尿、尿もれの症状に対しては、抗コリン薬と同等の効果があります。

行動療法

「膀胱訓練」、「骨盤底筋体操」などで、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛えることによって、尿トラブルの症状を軽くすることができます。

●膀胱訓練 (自分の排尿をコントロールする力をつける)

尿意切迫感や尿漏れを気にするあまり、少ししか尿がたまっていないのにトイレに行くくせがついてしまうと、膀胱が小さくなったり、過敏になったりして、尿をたくさん蓄えることができなくなることがあります。このため、ますます尿トラブルが悪化してしまうのです。このような場合は、膀胱に尿をためる訓練をして、膀胱の能力をもとに戻すことで、症状を改善させることができます。

■方法

尿意を我慢する練習を、短い時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていきます。

  • トイレへ行くのを1回だけ我慢してみましょう。
  • 最初は5分くらい我慢し、1週間ほど続けます。尿意を感じるたびにではなく、1日のうちの時間や回数を決めて、少しずつ始めてもいいのです。
  • 10分、15分と、我慢する時間をだんだん延ばしていきます。
  • 最終的に2~3時間我慢できるようになれば、目標達成です。

訓練と併せて、排尿日誌をつけると、自分の排尿の傾向がわかり、尿トラブルの頻度の高い時間帯に訓練の時間を合わせるなど、対策が立てやすくなります。 また、訓練の成果もよくわかり、励みにもなるでしょう。排尿日誌には、排尿した時間、尿の量などを記録します。1回の排尿の量は200~300ccくらいが目安です。

○ 膀胱訓練が有効でない場合もあります

膀胱訓練で効果が出るのは、過活動膀胱による尿意切迫感や頻尿の場合です。感染症や前立腺肥大症などの場合は症状を悪化させることもあります。きちんと診察を受け、自分の尿トラブルの原因を理解した上で、医師の指導に従って行うことが大切です。

●骨盤底筋体操 (尿道を引き締める力をつける)

弱った骨盤底筋を鍛え、筋力をつけることで、臓器が下がるのを防ぎます。また、肛門や腟を締める訓練をすることで、尿道を締めることができ、尿漏れの症状を改善できる可能性があります。過活動膀胱や腹圧性尿失禁に効果があります。

■方法
  • 尿道・肛門・腟をきゅっと締めたり、緩めたりし、これを2~3回繰り返します。これによって骨盤底筋が鍛えられます。
  • 次は、ゆっくりぎゅうっと締め、3秒間ほど静止します。その後、ゆっくり緩めます。これを2~3回くり返します。
  • 引き締める時間を少しずつ延ばしていきます。
  • 1回5分間程度から始めて、10分~20分まで、だんだん増やしていきましょう。
  • 基本姿勢でできるようになったら、いろいろな姿勢で上記の体操をやってみましょう。通勤途中や入浴中や家事をしながらでもできるようになるでしょう。

〈応用形1〉 床にひざをつき、ひじをクッションの上にのせ頭を支える。

〈応用形2〉 足を肩幅に開いて立ち、手は机の上に乗せる。

〈応用形3〉 足を肩幅に開いて椅子に座り、足の裏の全面を床につける。

日常生活で気をつけること

毎日の生活の中でも、気をつけていれば尿のトラブルを軽減させることができるポイントがたくさんあります。

  • 身体(特に下半身)を冷やさないようにしましょう。
  • 便秘に気をつけ、肥満があれば改善しましょう。
  • ビールなどのアルコール、お茶やコーヒーなどのカフェイン類、刺激の強い食べ物を控えましょう。
  • 水分のとり過ぎに注意しましょう。なお、血管の病気のある方は、主治医とよく相談して水分のとり方を決めてください。
  • 基本姿勢でできるようになったら、いろいろな姿勢で上記の体操をやってみましょう。通勤途中や入浴中や家事をしながらでもできるようになるでしょう。
  • 適度な運動をしましょう。
  • 外出時などは、早めにトイレに行くようにしましょう。

〈参考資料〉
アステラス製薬:なるほど病気ガイド
オムロンヘルスケア:健康・医療トピックス

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