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冷え性について

冷え性とは

「寒いわけではないのに、手足が冷える」「ふとんに入っても足が冷たいまま」といった冷え性は、ただの寒がりとは違い、からだ全体は寒さを感じないのに、部分的に「冷え」を感じる症状をいいます。

冷え性は女性に多い症状です。女性は男性に比べると、熱を作り出す筋肉が少ない、皮膚の表面温度が低い、貧血や低血圧の人が多いことなどがその理由と考えられます。また、月経の影響などで、腹部の血流が滞りやすいといったことも、女性に冷え性が多い理由でしょう。
冷え性は女性に多い症状ですが、男性でも冷え性に悩んでいる人はめずらしくありません。
冷え性は単に体が冷えるだけでなく、ひどくなるとさまざまな症状を引き起こします。
●膀胱炎●頻尿●自律神経失調症●頭痛●肩こり●月経不順●月経痛●不眠…これらは体の冷えと密接につながっています。

冷え性の中医学的原因と改善法は?

中医学でも、少し概念は違いますが「血(けつ)」が全身を流れにくい状態のときに冷え症になりやすくなると考えられています。「血」は全身に栄養を送るといった働きのほかに、体を温めるといった働きもしてくれるからです。

冷え性にもいくつかのタイプがあります。

(1)パワー不足タイプ(気血両虚(きけつりょうきょ))…特に「冷え」を強く感じる冷え性

「血」と、その原料になっている「気」が両方とも不足してしまっている状態のことです。また「血」を全身にめぐらせているのも「気」のお仕事なので、「気」のパワーが不足すると、全身に血液がうまく循環しなくなってきてしまいます。冷えの他にも、●普段から疲れやすい●食欲がない●カゼをひきやすいといった症状を伴います。 このタイプには、からだを温め、「血」の量を増やしてあげる補血作用のあるアロマがオススメです。加えて、パワーの「気」を補充してくれる、補気作用のあるアロマも併用すると良いでしょう。

■おすすめアロマ
ラベンダー
マージョラム
■おすすめ漢方薬
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

(2)血液ドロドロタイプ(瘀血(おけつ))…肩こりや生理痛を伴う冷え性

血の流れが滞ってからだの血の循環が悪い状態をいいます。細い血管の隅々まで血が行き渡らなくなるので、手先や足先などの末梢部分が特に冷えて凝り固まってしまいます。 冷えのほかにも、●頭痛や肩こりがある●生理痛がきつい●舌や唇のまわりが紫色などといった症状を伴います。このタイプには、体を温め血を増やしてあげる補血するアロマと、血液の循環を良くする活血作用のあるアロマを一緒に併用します。

■おすすめアロマ
ローズマリー
ティートリー
■おすすめ漢方薬
冠元顆粒(かんげんかりゅう)

(3)アンバランスタイプ(気滞(きたい))…半身は熱いのに下半身が冷え、イライラやお腹がもたれる

「血」を全身にまでくまなく送り届けるのが「気」のお仕事です。この「気」がストレスなどによって動きが悪くなってしまい、つれて「血」の運行も悪くなってしまって冷えている状態です。冷えのほかに、●月経前に胸が張るなどの不快症状がおきる。●ストレスをためやすく、イライラしやすい●ゲップやおならがよくでる。といった症状を伴います。このタイプには、体を温める補血作用のあるアロマのほかに、ストレスなどによって「気」の流れがわるくなった状態を改善してくれる、理気作用のあるアロマがオススメです。

■おすすめアロマ
マンダリン
オレンジスイート
■おすすめ漢方薬
星火逍遥丸(せいかしょうようがん)

(4)体の芯の熱不足タイプ(腎陽虚(じんようきょ))…腰やお腹が冷えてトイレが近い

からだを温める機能自体が弱まっている状態をいいます。体の芯の熱をつくるというのは、「腎」の大きな仕事です。この「腎」のパワーが生まれつき弱かったり、老化などによってパワーが弱まったりすると、強い冷え性を引き起こす事があります。このタイプは他のタイプに比べ、夏でもホッカイロが手放せないなど、冷え性の程度がかなり強くみられます。また、不妊症に多くみられます。冷えのほかに●トイレが近く、夜何回も起きる。●冷えるとすぐ下痢する。●腰痛がある。などといった症状を伴います。 下半身の症状が多いですね。 このタイプには体を温める補血作用あるアロマのほかに、腎の陽を補ってくれるアロマがオススメです。

■おすすめアロマ
ジンジャー
ジュニパー
■おすすめ漢方薬
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

日常生活でできる予防法

入浴で血行を良くする

38~40℃のぬるめのお湯に、20分程度つかりましょう。入浴後は簡単なストレッチをすると、さらに効果的です。湯船につかれないときは、シャワーだけですませず足湯で下半身をしっかり温めましょう。お風呂から上がったら保温性の高いインナーや冷え症対策用の靴下などで熱を逃がさないようにしましょう。

おすすめ
腹巻きをするとお腹が温められて臓器の働きが活発になり、全身が温まります。

運動で血行を良くする

体中の筋肉を働かす全身運動が一番ですが、時間がないことも多いはず。そんなときはどこでも簡単にできて、血行を良くする足裏のツボを刺激する運動がおすすめです。足を軽く開いて立ち、両足一緒にかかとを上げ下げする背伸び運動を行いましょう。座り仕事が多い場合は、仕事中に足元に小さいボールや空き缶などを置いて、足の裏で転がすと、足裏のツボが刺激され、全身の血行が良くなります。

体を温める食材

しょうが…辛味成分が血行を促進して体を温めます。
にんじん…βカロテンほか栄養が豊富で、血をサラサラにして体を温めます。
黒砂糖…ミネラルやアミノ酸が豊富で白砂糖より低カロリーで体を温めます。
他に、ねぎ、紅茶、シソの葉、七味唐辛子、カツオなどの赤身の魚、レバーや羊肉なども体を温めるのに効果的な食材です。

おすすめ
しょうが紅茶
作り方
1.しょうがをきれいによく洗い、皮をつけたまますりおろします。
2.カップに紅茶を注ぎ、1ですりおろしたしょうがを2つまみほど入れます。
3.黒砂糖やはちみつを好みで加えて飲みます。朝食の代わり以外に、食前に飲むと食べすぎの予防にも。1日に3杯以上飲むと体が温まり、体調の改善に効果的です。

体を温めて、寒い冬を乗りきりましょう!

〈参考資料〉
テルモ体温研究所
日経ウーマン
タケダ健康サイト
「冷え」をとれば女性の不調・病気は治る! 石原 新菜 (著), 石原 結實 (監修)